Best & List       
 
ロック・ベスト100 ~ロックの時代を創った100曲~
 

 2.ビートルズの時代(ブリティッシュインヴェイジョン~サイケデリックロック)
(1963-1966)
 
1964年2月,アメリカ初公演のため空港に降り立った4人のメンバーの目に飛び込んで来たものは,1万人もの若者たちの絶叫する姿であった。彼らのシングル『抱きしめたい』はリリース後、瞬く間に50万枚という記録的なセールスを達成し、その年の春,全米チャートの1位から5位までを彼らの曲が独占することとなった。メンバーを追いかける熱狂的なファンによる「ビートルマニア」と呼ばれる現象が巻き起こり,レコード売り上げ、24時間連続のラジオ放送、そして、5万人規模の野外コンサート等々と、彼らはアメリカにおけるショウビジネスの常識を次々と塗り替えていったのだった。 
ビートルズ語辞典: ビートルズにまつわる言葉をイラストと豆知識でヤァ!ヤァ!ヤァ!と読み解く
ビートルズの成功により、「ザ・ローリング・ストーンズ」「ザ・フー」「キンクス」「アニマルズ」といった、イギリス出身のロックミュージシャンが,次々とアメリカへ進出していき、「ブリティッシュ・インヴェイジョン」と呼ばれた。同時にロックンロールは商品化され、商業主義のロックンロールの形ができあがっていった。 “ブリティッシュ・インヴェイジョン” ~ロック誕生と黄金期の到来

一方ではボブ・ディランを始めとするフォークソングの人気が高まっており、彼は人種差別や反戦運動などの社会問題を扱った作品を発表し、プロテスト・ソングというジャンルを確立した。
アメリカにやって来ていたビートルズは、音楽が社会運動と結びついている状況に驚かされた。さらにビートルズはディランから「君達の音楽には主張がない」とまで言われたのだった。以降ビートルズは、音楽的な変化と同時に、詞の内容にも思想的なものが増えていき、その活動内容にも社会運動的なものが増えていくのである。

ファズ・ワウ・テープエコー・チェンバーといったエフェクターの登場により、実験的なサウンド作りの手法が波及していった。また、大麻やヘロインなどのドラッグで起きるトリップ体験を表現するムーブメントも起こり、これらの実験的で幻惑的なサウンドはサイケデリック・ロックと呼ばれた。ジミ・ヘンドリックスドアーズジェファーソン・エアプレインピンク・フロイドグレイトフル・デッドなどが知られる。

アシッド・ドリームズ―CIA、LSD、ヒッピー革命
 
11. The Beatles / I want to hold your hand(1963)

1961年のデビュー以来、イギリスを始めとする各国での爆発な人気に反して、アメリカではシングルを発売するもまったくヒットには至らず、ラジオ局のDJにもリスナーにも無視されたままだった。ところが「I Want To Hold Your Hand(抱きしめたい)」のリリースから状況は一変。1964年2月1日に全米1位となっただけでなく、「Can’t Buy Me Love」発売時の1964年4月4日には、それまでのシングルにも注目が集まり、1位から5位を独占するという前代未聞の快挙を成し遂げるに至った。アメリカはビートルズ一色に染まっていったのだった。

ザ・ビートルズ・イン・アメリカ


   
12. The Beach Boys / Surfin' U.S.A. (1964)
アメリカ西海岸の文化~青い海、ビキニの娘、サーフィン、自動車などをテーマにした軽快なサウンドが特徴。ウェストコースト・ロックの元祖に位置付ける見方もあり、アメリカン・ロックでは多くのバンドがそのハーモニーの影響を受けている。音楽的ルーツはR&Rや黒人のドゥーワップにあり、チャック・ベリーの「スウィート・リトル・シックスティーン」をアレンジして「サーフィン・U.S.A.」を作ったことは有名である。「サーフィン・U.S.A.」のメロディーは「スウィート・リトル・シックスティーン」とほぼ同じであることはビーチ・ボーイズも認めている。
13. The Kinks / You really got me (1964)
1964年に、ロンドン北部のマスウェル・ヒルでレイとデイヴのデイヴィス兄弟によって結成された。アメリカ合衆国ではブリティッシュ・インヴェイジョンのグループの一つとして分類され、当時のロック界に対して重要な影響を与えたバンドとして見なされる。キンクスの最初のヒット曲は1964年のサードシングル「ユー・リアリー・ガット・ミー」であった。同曲は世界的なヒットとなり、イギリスではチャート1位、アメリカではトップ10入りを達成した。その後、ヴァン・ヘイレンを始め多くのバンドにカバーされている。
 
14. The Rolling Stones / Satisfaction (1964)
ロック草創期の1960年代前半から現在まで第一線で創作を続ける、ロックの代名詞的な存在であり、ローリング・ストーンズを崇拝するアーティストは数知れない。結成当初のリーダーはジョーンズであったが、後にジャガーとリチャーズがコンビで作曲を行い、グループをリードするようになった。1969年、ジョーンズはバンドを脱退、その3週間後にプールで溺死した。ストーンズは当初ヨーロッパでの人気が高まり、間もなくブリティッシュ・インヴェイジョンの一波として北米での成功を納めた。バンド名、はシカゴブルースの巨匠・マディ・ウォーターズの"Rollin' Stone"にちなんで、当時リーダーであったジョーンズが命名した。1965年に『(I Can't Get No) Satisfaction』は、全米のシングルチャートで4週連続No.1となり、ビルボード誌の1965年年間ランキングでは3位となった。また、ストーンズにとって初のミリオンセラーシングルであり、ジャガーは「この曲が俺達を一介のロック・バンドから巨大な怪物バンドに変えた」と語っている。
 
15. The Who / My Genertion (1964)
ビートルズ、ローリング・ストーンズと並び、イギリスの3大ロックバンドの一つに数えられる。デビュー当初はスモール・フェイセス(のちフェイセズに改名)と並びモッズ・カルチャーを代表するバンドと評された。デビュー時からライブアクトが評判を呼び、その破天荒なプレイスタイルに注目が集まった。暴力的なパフォーマンスの一方で文学性豊かな歌詞世界とのギャップが魅力のひとつでもあった。「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティスト」第29位。「マイ・ジェネレーション」はザ・フーの代表曲の一つ。「『ローリング・ストーン(Rolling Stone)』誌が選んだ「オールタイム・グレイテスト・ソング500」と「オールタイム・グレイテスト・ギター・ソングス100」に於いて、それぞれ11位と15位にランクイン。
 
16. Bob Dylan / Like a rolling stone (1965)
風に吹かれて」、「時代は変る」、「ミスター・タンブリン・マン」、「ライク・ア・ローリング・ストーン」、「見張塔からずっと」、「天国への扉」他多数の楽曲により、1962年のレコードデビュー以来半世紀にわたり多大なる影響を人々に与えてきた。1964年頃からマリファナなどのドラッグの影響が煮られ始める。ビートルズやローリング・ストーンズをはじめイギリスのミュージシャンとの交流が芽生えたのもこの時期で、中期以降のビートルズがドラッグ体験をモチーフにした曲を多く残したのは、ディランと関わったのがきっかけとされている。「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」第7位。「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティスト」第2位。「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のソングライター」第1位。  
 
17. The Mamas & Papas / California Dreamin'
ヒッピー/フラワームーブメントサイケデリック文化の1つであり、ママス・アンド・パパスは60年代のフラワー・ムーヴメントを代表するフォークロック・グループである。デビューから2年間に6曲のヒットを生み出した、男女4人の混声グループ。メンバーは「ママ・キャス」ことMama Cass Elliot(キャス・エリオット)、Denny Doherty(デニー・ドハーティ)、PapaのJohn Phillips(ジョン・フィリップス)と奥さんのMichelle Phillips(ミッシェル・フィリップス)。 それぞれ男性には「パパ」、女性には「ママ」とニックネームが付けられ、サイケデリック時代、サンシャイン・ポップス時代にママス・アンド・パパスは素晴らしい音楽活動をしたが、グループ内の男女関係はドロドロしたショッキングなものであった。  
  
18. Jimi Hendrix / Purple Haze (1965)
天才ギタリストとして多くのミュージシャンに多大な影響を与えたロックミュージックのパイオニアの一人。右利き用のギターを逆さまにして左利きの構えで演奏するスタイルで知られる。ギターを歯や背中で弾いたり、火を放ったり、破壊したりするパフォーマンスでも有名。アメリカの伝統的なブルースをベースにしながら、それまで誰も聞いたことのなかった斬新なギターサウンドや卓越した演奏技術、そして圧倒的なインプロヴィゼーション能力を披露することにより、ジミ・ヘンドリックスは一般の音楽ファンはもちろんプロのミュージシャン達にも大きな衝撃を与えた。「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」第1位、「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティスト」第6位。  
 
19. Cream / Sunshine of your love (1965)
クリームは、1960年代に活動したイギリスのロックバンド。メンバーは、ベーシスト兼ボーカリストのジャック・ブルースとギタリスト兼ボーカリストのエリック・クラプトン、ドラマーのジンジャー・ベイカーで構成され、しばしばスーパーグループの一つに数えられる。ブルースとハードロック、サイケデリックロックを融合させたサウンドが特徴。クリームは、ジミ・ヘンドリックスと共に当時の音楽シーンに多大な影響を与え、またヘンドリックスと共にワウを流行らせた。彼らは、ヘビーかつ技巧的である、という音楽を提示し、レッド・ツェッペリン、ディープ・パープル、ジェフ・ベック・グループのような、1960年代後半のイギリスのバンドに影響を与えた。
 
20. The Doors / Light my fire (1965)
デビュー・アルバム『ハートに火をつけて』は、1967年1月にリリースされる。アルバムは数日間で収録され、ほとんどの曲は第一テイクが採用された。ドラッグを連想させる歌詞など、アルバムはセンセーションを引き起こし、第2弾シングル「ハートに火をつけて(Light My Fire)」は大ヒットした。ビルボード誌では、1967年7月29日に週間ランキング第1位を獲得。1967年の年間ランキングでは第2位となった。バンドは、ジェファーソン・エアプレインやグレイトフル・デッドと並び、アメリカのサイケデリックバンドの一つとなった。  
 
 21. Jefferson Airplane / Somebody to love (1965) 
ジェファーソン・エアプレインは1960年代後半のサンフランシスコのサイケデリック文化を代表するバンドであり、1996年にロックの殿堂入りを果たした。1960年代に吹き荒れたビートルズ旋風/ブリティッシュ・インヴェイジョン、その影響下で続々と誕生したアメリカンバンド第一世代を代表するグループ。反体制や薬物体験を歌った歌詞などにより、60年代カウンターカルチャーの申し子とされる。また、ドラッグカルチャーやライトショウを駆使したステージに象徴されるサイケデリアの時代にバンドは最初のピークを迎えたというイメージもあるが、もっと幅広い音楽的要素を持っていると言える。  
 
 22. The Byrds / Eight Miles High (1966)
 フォークミュージックの温かな雰囲気と、ロックンロールのリズム感と豊かなハーモニーを融合させた独特のサウンドが持ち味のフォークロックというジャンルに属するアーティスト。1965年にボブ・ディランの作った「ミスター・タンブリン・マン」でデビュー。次いで『旧約聖書』の「コヘレトの言葉(伝道の書)」3章を元に曲をつけたピート・シーガーの「ターン・ターン・ターン」が発売されたが、これら2曲はバーズのシンボル的な曲となった。1966年には、当時のサイケデリック・ムーブメントを先取りした先進的な楽曲「Eight Miles High」が発表される。この作品のインパクトは大きく、いくつかのラジオ局が「ドラッグ体験を連想させる」との理由で放送禁止にした。後のビートルズの『リボルバー』などの作風に大きな影響を与えている。  

  
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