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世界のカレー大辞典
アフリカ大陸編

 
アフリカ大陸のカレー
世界の面積の約20パーセントを占める広大な土地に、50以上の国々が集まる地域です。アフリカ大陸には「カレー」と呼ばれるものは少ないですが、スパイスを使った煮込み料理といった、カレーに近い料理は多くみられます。また、広大なアフリカ大陸では東西南北で、気候や文化を始めとして民族も宗教も言葉も異なり、食文化も大きな特色の違いが見て取れます。カレーで見てみると、大きく分けて2種類に大別できるのではないでしょうか。1つ目は、”豊富な種類のスパイスを使った料理”という意味でカレーに近い料理として分類できるもの。2つ目は、インド亜大陸系の人々が移り住んで広まった、”現地の風土に馴染んだカレー料理”に分類できるのではないでしょうか。
 
  1.北アフリカのカレー
チュニジア、モロッコ、アルジェリアなど北アフリカの国々で家庭料理として食べられているのが、日本でもブームになったタジン鍋料理やクスクス料理です。タジン鍋料理は、羊の肉か鶏肉とスパイスをかけた野菜を煮込むものです。クスクス料理は、粗挽きの小麦粉やトウモロコシの粉に水を加え、こねて粒状にして蒸します。これに野菜とひよこ豆がたっぷり入ったソースなどをかけて食べます。これらに使われるスパイスが「ハリッサ」とよばれるもので、唐辛子、オリーブオイル、にんにく、キャラウェイ、コリアンダー、天然塩をあわせて練り上げ、トマトを加えることもあります。唐辛子の辛味に負けないほどの豊かな香りと味わいがあります。
  クスクス

  2.東アフリカのカレー
  ドロワット  エチオピアには、ドロワットと呼ばれるカレーに似た料理が有名です。「ドロ」とは鶏肉の意味し、「ワット」はカレー状の料理のことだそうです。トロミがある濃い赤茶色のソースをターメリックライスにかけて食べます。とにかく辛い料理で、日本の激辛カレーの30倍~50倍のレベルはあるそうですが、カレーとは異なる味わいがあり、辛さの裏側に旨味と多少の苦味も感じられる、クセになる味だと評判です。エチオピアの伝統的な香辛料「バルバレ」と呼ばれるミックススパイスが味のポイントです。
 セーシェルは、昔は無人島でしたから伝統的な料理というものがありませんでしたが、複数の民族が混交してきた歴史の流れからクレオール料理が発展し、アフリカ料理に、フランス、中国、英語、インドなどの影響が混ざってできた料理で、米を主食にカレーやチャツネ、ルガイなどがあります。ココナッツミルクを用いたクリーミーなカレーのカリココ、タコを加えたカリスーリなどがあります。
 
 3.中央アフリカのカレー

  ムアンバ
 ムアンバという中央アフリカの料理でスパイシーなトマト煮込みシチューがカレーに近いかもしれません。CNNが選ぶ世界美食ランキング第10位に選ばれたりもしました。ガボン共和国のものは、チキンを用いたスパイシーでトマトの酸味とピーナッツバターのまろやかさの相性が抜群です。アンゴラのムアンバは、チキン又は魚と、オクラ、たまねぎなどの野菜をパームオイルと一緒に煮たシチューで、ガボンのようにピーナッツバターは用いられないようです。キャッサバやトウモロコシの粉を湯と混ぜて餅状にしたフンジと一緒に食べられます。
  4.西アフリカのカレー 
   ガーナには、ヤジというガラムマサラのようなスパイスが入ったパームカレーがあり、ブラックアイビーンズのライスなどにかけて食べるそうです。
  トーゴ共和国には、アジンデシという牛肉のトマト煮込み料理があり、見た目はビーフシチューとカレーの中間のよう感じで、ほのかに甘くピリッとスパイシーで、バターチキンカレーのようなコクのある美味しさです。
 セネガルには、マフェという料理がありますが、味付けはトマトの酸味に、ピーナッツバターの甘味とコクを加え、赤唐辛子で辛みをつけています。小麦粉やオクラを入れてソースにとろみを付けることもあるそうで、見た目はカレーのような料理です。
  アジンデシ

  5.南アフリカのカレー 
 モーリシャスは、国民の7割方がインド系ですので、インドカレーを日常的に食べています。但し、インドカレーとは言っても、モーリシャスは、マスカレン諸島にありイギリス連邦加盟国でもあることからヨーロッパの影響も受けているようで、トマトとタコの旨みが凝縮された「オクトパス・カレー」が有名です。
 モザンビークでは、フランゴ・ア・アフリカーナという鶏肉をスパイスとココナッツミルクでマリネして焼いた名物料理があります。
 南アフリカ共和国のボボティーは、カレー味のミートローフのような料理で、スパイシーな味付けが特徴です。
  オクトパス・カレー

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